アルファベットが現地時間7月22日(韓国時間23日未明)に発表した第2四半期決算は、売上高もクラウドも市場予想を大きく上回る「アーニングサプライズ」でした。それでも株価は時間外取引で5%前後下落しました。理由は結局ひとつに集約されます。今年の設備投資(CAPEX)を最大2,050億ドル(約303兆ウォン)まで増やすと表明したことで、第2四半期のフリーキャッシュフローがマイナスに転じたためです。昨日このブログで予告したビッグテック決算シーズンの最初の成績表が出そろったので、数字をひとつずつ読み解いていきます。📊

要点(TL;DR)

  • 第2四半期の売上高は1,198億ドル(+24%)、グーグルクラウド売上高は248億ドル(+82%)で、いずれも市場予想を上回りました。
  • 純利益は298%急増しましたが、その大半はスペースXなど保有株式の評価益約990億ドルによるものです。本業の実力を見るには、営業利益の伸び30%のほうが正確な指標です。
  • 今年の設備投資を最大2,050億ドルへ引き上げ、第2四半期の設備投資が449億ドルと過去最大を記録したことで、フリーキャッシュフローが-59億ドルに転じ、これが株価下落の引き金になりました。ただし、この投資拡大は韓国のHBM・サーバー用DRAM需要には追い風です。

📈 業績はどれだけ良かったか — 売上高24%・営業利益30%増

第2四半期は主要指標がそろって2桁で伸びた強い成績表でした。アルファベットの発表によると、第2四半期(4〜6月)の連結売上高は1,197億9,600万ドル(約177兆ウォン)で、前年同期比24%増えました。市場予想(約1,169億ドル)を上回り、12四半期連続の2桁増収でもあります。営業利益は407億7,000万ドルで30%増え、営業利益率は34%と2ポイント改善しました。部門別では、グーグルサービス(広告・ユーチューブ・サブスクなど)が945億ドルで15%増え、このうち検索広告が632億7,000万ドル(+17%)、ユーチューブ広告が110億5,500万ドル(+13%)を記録しました。

☁️ グーグルクラウド82%急増がなぜ重要か

今回の決算の主役は82%急増したグーグルクラウドです。クラウド売上高は247億6,800万ドル(約37兆ウォン)で、市場予想(約224億6,000万ドル)を大きく上回りました。企業がAIモデルを開発・運用するためのインフラ需要がここに集中した結果です。さらに目を引くのは収益性です。クラウド部門の営業利益は1年前の28億ドルから88億ドルへと3倍超に跳ね上がり、これまでついて回った「赤字・低採算事業」というレッテルをはっきりと払拭しました。スンダー・ピチャイCEOは「フォーチュン100社のうち90%近くがジェミニ・エンタープライズを使っている」と述べ、企業向けAIの拡大を業績の裏付けに挙げました。クラウドが広告に次ぐ「第2の成長エンジン」として定着したとの評価が出ています。

🧮 純利益298%急増、そのまま信じてよいか

純利益298%急増は数字だけ見れば驚きですが、その多くは本業ではなく会計上の評価益です。第2四半期の純利益(普通株主帰属)は1,121億700万ドル(約166兆ウォン)で前年比298%増え、1株当たり利益(希薄化後)は9.11ドルと294%増加しました。ところがこの急増の核心は、「その他損益」に計上された約990億ドル規模の株式評価益です。アルファベットが保有するスペースXなど未上場企業の株式価値が上昇して生じた含み益で、実際に現金が入ったわけでも、広告・クラウドといった本業で稼いだお金でもありません。アルファベット自身も、この株式評価益が純利益を771億ドル、1株当たり利益を6.26ドル押し上げたと明記しています。つまり本業の本当の実力を見るには、純利益の伸び(298%)ではなく営業利益の伸び(30%)を見るべきだということです。

💸 株価はなぜ下がったか — 過去最大の設備投資とマイナスの現金収支

業績が良かったのに株価が下がった理由は「過去最大級の投資の請求書」にあります。アルファベットは今年の年間設備投資見通しを最大2,050億ドル(約303兆ウォン)へ引き上げました。先月示した1,800億〜1,900億ドル台から、さらに上方修正した形です。実際に第2四半期の設備投資は449億2,400万ドルと四半期として過去最大を記録し、その影響で第2四半期のフリーキャッシュフローは-58億5,500万ドルとマイナスに転じました。前四半期(+101億ドル)や前年同期(+245億ドル)と比べると急激な反転です。アルファベットは6月に株式・転換優先株の発行で約496億ドルを調達し、シニア債で203億ドルを追加確保もしました。結局、市場は「好業績」よりも「天文学的な投資がいつ回収されるのか不透明だ」という点に重きを置き、株価は時間外で5%前後下げました。AI投資の規模と回収時期をめぐり、強気論と慎重論が真っ向から対立した格好です。

🇰🇷 サムスン電子・SKハイニックスにはどんなシグナルか

アルファベットの投資拡大は、韓国の半導体業界には追い風のシグナルと受け止められます。設備投資をさらに増やすということは、AIデータセンターに入るHBM(広帯域メモリー)とサーバー用DRAMの需要が続くことを意味するからです。韓国メディアによると、UBSはSKハイニックスがグーグルの最新AIアクセラレーター(TPU)「v7p」「v7e」に載るHBM3Eの最初の供給社になると予想しました。アルファベットの下半期投資が加速し、HBM・サーバー用DRAMの発注が実際に増えれば、そこからサムスン電子・SKハイニックスの業績にも温もりが伝わり得ます。折しもSKハイニックスは29日、サムスン電子は30日に第2四半期の確定決算を発表する予定で、アルファベットが投げたシグナルが国内企業の業績に表れるか、今週中に見極められます。

📌 総評 — 「成長は確認、請求書は膨らんだ」

今回の決算は、AIがアルファベットの売上高を実際に押し上げている点(クラウド+82%、営業利益+30%)をはっきり示しました。同時に、その成長を支える投資規模が、フリーキャッシュフローをマイナスに転じさせるほど膨らんだ事実も明らかになりました。押さえておくべき点は三つです。第一に、純利益298%という見出しの数字に惑わされず、株式評価益を除いた本業の利益(営業利益+30%)を見ること。第二に、過去最大の設備投資がクラウド売上高の成長で実際に回収されるかが今後の鍵です。第三に、アルファベットの投資拡大が29〜30日に発表されるSKハイニックス・サムスン電子の決算でHBM需要として確認されるかが、国内投資家には最も重要な部分です。昨日予告した「設備投資の試験台」の最初の答案は、成長と負担を同時に示したと整理できます。

※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。

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