🏠 「家賃を払うくらいなら買う」ソウルのマンション売買件数、4年ぶりにチョンセを上回る
ソウルのマンション市場で、売買件数が4年ぶりにチョンセ(一括前払い賃貸)件数を上回りました。ソウル不動産情報広場の集計(契約日基準・申告分)によると、5月は売買が約8,600〜8,700件、チョンセが約8,300件で、月間の売買件数がチョンセを超えたのは市場過熱期だった2020年6月以来のことです。チョンセを確保できない実需要が住宅購入へと移り、残った賃貸は月家賃と再契約に偏る構造変化がはっきりしてきました。
要点(TL;DR)
- 📌 5月、ソウルのマンション売買件数(約8,600〜8,700件)が4年ぶりにチョンセ(約8,300件)を上回りました。
- 📌 月家賃の割合は3〜5月と3か月連続で50%台、新規・再契約のチョンセ保証金の差は半年で2倍に開きました。
- 📌 政府は7月末に「実居住中心」の税制改編と供給拡大を盛り込んだ不動産総合対策を予告しています。
🏘️ 何が起きたのか — 売買がチョンセを上回った
要点は「チョンセの代わりに売買へ」という需要の移動です。ソウル不動産情報広場の集計基準で、5月のソウルのマンション売買件数は約8,600〜8,700件(集計時点・媒体により8,616件・8,691件など)で、チョンセ件数(約8,265〜8,324件)を上回りました。ソウルで月間の売買件数がチョンセを超えたのは2020年6月以来、約4年ぶりです。取引統計は契約の申告分のため後に修正されうるものの、両者が逆転したという方向性は複数の媒体が同様に伝えています。
購入は中低価格・郊外の地域に集中しました。自治区別では蘆原(ノウォン)区が1,206件で最多、続いて九老(クロ)区(842件)・江西(カンソ)区(756件)・松坡(ソンパ)区(678件)・城北(ソンブク)区(635件)でした。チョンセを見つけにくくなった実需要層が、相対的に負担の軽い地域の売買に目を向けた結果とみられます。
💸 なぜチョンセを離れて売買・月家賃へ向かうのか
チョンセ物件が枯渇し、月家賃が事実上半分を占めるようになったことが背景です。ソウルのマンションの月家賃割合は5月に49.9%と事実上半分に達し、3月50.4%・4月50.2%に続いて3か月連続で50%台を記録しました。1〜5月の累計では約51.3%で、1年前(44.0%)より7ポイント超上昇しています。月家賃の価格も1〜5月に3.37%上がり、統計開始以降の過去最高を更新しています。
チョンセの空きを月家賃が埋める流れには、いくつかの要因が重なっています。チョンセ融資の規制やチョンセ詐欺の影響で、多額の保証金を寝かせることをためらう賃借人が増え、家主は実居住要件と税負担の中で月家賃への転換をより好むようになりました。さらにチョンセ物件そのものが減り、チョンセを確保できない需要が売買や月家賃へ分散しています。
📑 残ったチョンセも「再契約への偏り」 — 新規・再契約の保証金差が2倍
チョンセを維持する賃借人も、新規に探すより留まる方を選んでいます。ソウルのチョンセ再契約の割合は1月の47.4%から6月の55.0%へ上がり、4月以降は新規契約の割合(同期間52.6%→45.0%)を上回りました。新規契約に必要な保証金の負担が増えたうえ、引っ越し費用や仲介手数料などの付帯費用まで考えると、再契約が有利だと判断する賃借人が増えたためです。
その結果、新規契約と再契約の保証金の差が大きく開きました。専有59㎡の新規・再契約の保証金差は、1月の3,500万ウォンから6月の7,750万ウォンへ半年で2倍超に拡大しました。同期間に新規契約の保証金は5億ウォンから5億4,750万ウォンへ上がった一方、再契約は4億6,500万ウォンから4億7,000万ウォンへの上昇にとどまりました。専有84㎡の差は1月の4,375万ウォンから6月の8,000万ウォンへとさらに大きく開きました。新たにチョンセを探す賃借人ほど負担が急激に増える構造です。
🗺️ 京畿道へ広がる圧力と7月末の総合対策
チョンセ上昇の圧力はソウルを越えて京畿道へ広がっています。今年に入り、華城(ファソン)東灘(トンタン)区のマンションのチョンセ価格は8.03%、龍仁(ヨンイン)器興(ギフン)区は6.21%、九里(クリ)は5.08%上昇したと集計されました。最近、規制地域に新たに指定された地域でもチョンセの上昇が続き、ソウルから押し出された需要が京畿南部へ移っています。
市場の次の分岐点は、7月末に予告された不動産総合対策です。政府は実居住目的の1住宅保有者は保護しつつ、非居住・投機目的の保有には税負担を高める「実居住中心」の税制改編を予告しており、総合不動産税の強化や譲渡所得税の長期保有特別控除の調整などが取り沙汰されています。供給面では、首都圏の非マンション約4万1,000戸の供給計画を土台に、都心の都市型生活住宅・オフィステルの拡大が検討されています。ただし税率や適用時期などの具体案はまだ確定しておらず、発表までは方向性のレベルで見るのが安全です。
🧭 総評
ソウルの賃貸市場は、「チョンセ中心」から「売買・月家賃の併存」へと重心が移る局面にあります。5月の売買件数がチョンセを上回ったことは、単発の統計というより、チョンセ物件難・家賃化・再契約への偏りが共に生み出した構造変化のシグナルに近いといえます。ただし取引統計は申告分のため確定値と差が出うるうえ、購入が中低価格・郊外に集中しているだけに、地域・面積別の温度差も大きいです。
押さえておきたい点は3つです。第一に、月家賃の割合や新規チョンセ保証金が上がり続ければ、実需要の売買への転換はさらに続きうる点。第二に、7月末の総合対策の税制・供給の強度が、この流れを抑えるのか、それとも物件をさらに固定させてチョンセ難を深めるのかが鍵となる点。第三に、ソウルから京畿へ広がるチョンセ圧力が首都圏全体の価格に及ぼす波及も見守るべき点です。
※ 本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
出典
- 「家賃を払うくらいなら全力購入」ソウルのマンション売買がチョンセを覆う、4年ぶりの「大逆転」 — ザ・パブリック
- 「チョンセが見つからず家を買う」…ソウルの実需要者の購入転換が拡大 — イートゥデイ
- 「チョンセは消える」毎月310万ウォン…ソウルのマンション月家賃、3か月連続で半分 — ファイナンシャルニュース
- 「8,000万ウォンも多く払うのか?」ソウルでチョンセを新たに探すとき、再契約との保証金差がさらに拡大 — ヘラルド経済
- ソウルのマンション84㎡チョンセ、新規-再契約の保証金差が8,000万ウォン — ファイナンシャルニュース
- 李在明政権、7月に「不動産総合対策」を予告…「実居住中心」の税制・供給改編に焦点 — ニュースビジョンe