2026年6月、ソウルのマンション価格が4か月ぶりに25区すべてで一斉に上昇しました。一部地域ではなく、ソウル全域が上がったのです。強力な融資規制が施行から1年を超えても、チョンセ(伝貰)難が売買価格を押し上げる構図が定着し、政府は需要抑制だけでは足りないと判断して、7月末に供給拡大策を打ち出すと予告しています。📊

要点まとめ(TL;DR)

  • 6月のソウルのマンション売買価格指数は105.8(2026年1月=100)で年初比+5.8%、25区全域が4か月ぶりにそろって上昇
  • 江南11区の平均チョンセ価格が8億193万ウォンとなり、史上初めて8億ウォンを突破
  • 政府は7月末に供給拡大と税制改編を盛り込んだ「不動産総合対策」の発表を予告

📈 6月のソウル、なぜ「25区全面上昇」が重要なシグナルなのか

今回の6月統計で目を引くのは、これまで下落していた江南区まで反発したという点です。高額帯も中低価格帯も区別なく、ソウル全域が上がりました。KB不動産の月間統計(6月15日基準)によると、ソウルのマンション売買価格指数は105.8(2026年1月=100)で、前月の104.7より1.1%上昇し、年初と比べると5.8%上がりました。4か月ぶりに25区すべてが上昇に転じ、3か月連続で下がっていた江南区が反発したことがとりわけ象徴的です。

ソウルのマンション価格はすでに70週を超えて連続で上昇しています(一部統計では71〜72週)。一部の地域や小型面積に偏っていた上昇が、6月に入って全域へ広がった形です。

🔑 チョンセ難が売買を押し上げる — 江南のチョンセ、初の8億ウォン超え

チョンセ価格が急ピッチで上がるにつれ、賃借を探していた実需が売買へと目を向けています。6月のソウルのマンションのチョンセ価格は前月比1.43%上昇と今年最大の伸びを記録し、平均チョンセ価格は6億9,619万ウォンで1月(6億6,948万ウォン)より4.0%上がりました。とりわけ江南11区の平均チョンセ価格が8億193万ウォンとなり、史上初めて8億ウォンを突破しました。

チョンセの在庫がどれほど逼迫しているかは需給指数にも表れています。ソウルのマンションのチョンセ需給指数は122.5と5年6か月ぶりの高水準まで上がりました。賃借を求める需要が売り物件を大きく上回っているという意味です。

🏙️ どこが上がっているのか — ノドガン・クムグァング区と30代の「マイホーム」

資金の余裕が乏しい実需が中低価格帯・郊外の団地に集まり、いわゆる「キャッチアップ」が進行中です。強い融資規制にチョンセ難が重なり、参入障壁が比較的低いノドガン(蘆原・道峰・江北)やクムグァング区(衿川・冠岳・九老)などの中低価格帯集中地で、最高値の更新が続いています。江北区ではマンションの平均売買価格が7億ウォンを超えました。

とりわけ30代による初めての住宅購入が目立ちます。蘆原区の30代の購入者は2月の258人から3月の368人へと43%増え、同じ期間に道峰区は55%、江北区は229%も急増しました。多住宅者への譲渡所得税の重課再開を前に売り物件が増えると、若年層がこれを「マイホームのチャンス」と見て中低価格帯の地域に集まったと分析されています。

🏛️ 政府の次の一手は「供給」か — 7月末の総合対策を予告

需要抑制だけでは限界があると見た政府は、いま供給拡大へと軸足を移しています。李在明大統領は就任1周年に際し「不動産の税制問題は7月ごろに可能だろう」と述べ、「供給対策も速度を上げて近く発表する」と明らかにしました。7月末には供給拡大と税制改編をあわせて盛り込んだ「不動産総合対策」が出る見通しで、大統領府では不動産に関する集中討論も予告されています。

下絵はすでにあります。政府は1月29日の「都心住宅供給の拡大・迅速化策」で、2030年までに首都圏の要地に6万戸を供給すると発表しました。龍山国際業務地区は容積率の引き上げなどで当初の6,000戸から最大1万戸まで、果川競馬場の跡地は9,800戸、泰陵ゴルフ場(CC)跡地は6,800戸の規模です。ただし施設移転のロードマップや地方自治体との協議が残っており、実際の着工・入居までにはタイムラグが避けられません。

総評 📝

6月のソウルの不動産は「全面上昇」と「チョンセ難」の2語に集約されます。融資規制が1年を超えても上昇は江南から郊外までソウル全域に広がり、チョンセ難に疲れた実需が中低価格帯の売買に移り、30代の購入が目立ちました。江南のチョンセが初めて8億ウォンを超えたことが、この流れを最もよく示しています。

いま焦点は、政府が7月末に打ち出す総合対策の方向と、実際に効果があるかどうかです。税制(長期保有特別控除・保有税)をどちらに調整するのか、供給の量とスピードが市場の不安をどれだけ和らげるのかが下半期の流れを分けるとみられます。ただし供給対策は計画の発表から実際の入居まで時間差が大きいため、発表内容だけでなく実行のスピードもあわせて見ていく必要があります。

※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。

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