📈 6月の物価3.2%、2年6カ月ぶり高水準 — ガソリン代と『チップフレーション』が押し上げた買い物かご
韓国の6月の消費者物価は前年同月より3.2%上昇しました。2年6カ月ぶりの高い上昇率です。中東の地政学リスクで国際原油価格が急騰したうえ、ウォン安が重なり、石油類価格が24.7%も跳ね上がったことが物価を押し上げる決定的な要因となりました。上昇率は5月(3.1%)に続き2カ月連続で3%台にとどまりました。以下で6月の物価の詳しい動きと下半期の見通しを整理しました。⛽
要点(TL;DR)
- 6月の消費者物価は前年同月比+3.2%。2023年12月以来2年6カ月ぶりの高水準で、2カ月連続の3%台です。
- 石油類+24.7%(全体の物価を+0.93ポイント押し上げ)が主因で、コンピューターが22.2%上がった「チップフレーション」と食料品の物価も負担を強めました。
- 政府は石油の最高価格制で上昇率を0.4ポイント下げました。7月はやや鈍化する見込みですが、下半期の「3%以内の管理」が課題として残ります。
📊 6月の物価はどれだけ上がったのか? 6月の消費者物価指数は119.99(2020年=100)で、前年同月比3.2%上昇しました。国家データ処が2日に発表した「6月消費者物価動向」の数値です。2023年12月(3.2%)以来、2年6カ月ぶりの高い上昇率です。今年の推移をたどると、1月と2月はそれぞれ2.0%で安定していましたが、3月2.2%、4月2.6%、5月3.1%、6月3.2%と4カ月連続で上昇基調を描いています。年初の2%台前半だった物価が半年で3%台前半まで上がった形です。
⛽ 物価を押し上げた主犯は? 6月の物価の最大の原因は石油類です。石油類価格が前年同月比24.7%急騰し、全体の物価を0.93ポイント押し上げました。ロシア・ウクライナ戦争の影響が大きかった2022年7月(35.2%)以来、3年11カ月ぶりの高い上昇率です。品目別ではガソリンが23.1%、軽油が33.7%、灯油が23.1%上がりました。中東の地政学リスクで国際原油価格が上がったうえ、ウォン・ドル相場が高水準を維持し、輸入エネルギー価格の負担が増した結果です。米国とイランが停戦のための覚書を締結し、不確実性はやや薄れましたが、国内の石油類価格は依然として前年同月より20%以上高い水準です。
💻 「チップフレーション」と食料品の物価も負担 工業製品や食料品、サービス価格も全方位で上がりました。工業製品の物価は4.4%上昇しましたが、半導体価格の上昇が完成品へ波及する「チップフレーション」の影響で、コンピューター価格が22.2%も跳ね上がった点が目を引きます。食料品では農畜水産物が3.2%上がり、5月(2.2%)より上げ幅を広げました。ネギ(37.1%)、コメ(11.7%)、イシモチ(12.0%)、卵(10.3%)、国産牛肉(7.5%)などの上昇が特に目立ちました。サービス物価は2.6%上がり、なかでも個人サービスが3.4%と上げ幅が大きくなりました。国際航空運賃(28.2%)、海外団体旅行費(24.3%)、保険サービス料(13.4%)など、旅行・サービス品目の上昇が顕著です。
🧮 コア物価と政府の対応は? 変動の大きい品目を除いたコア物価は2%台半ばで、物価の基調的な流れはまだ管理範囲内にあります。経済協力開発機構(OECD)方式のコア物価である食料・エネルギー除外指数は2.5%、韓国式コア物価である農産物・石油類除外指数は2.4%上がりました。一方、家計がよく買う品目で構成する生活物価指数は3.4%上がり、体感の負担はさらに大きくなりました。政府は石油製品の最高価格制で6月の上昇率を0.4ポイント下げたと分析しました。この制度がなければ上昇率は3.6%に達していたという説明です。今年上半期全体の物価上昇率は2.5%と集計されました。
🔮 7月以降の物価はどうなる? 政府と韓国銀行は、7月の物価が6月よりやや低くなると見ています。国際原油価格が下落に転じたうえ、6月27日付で石油の最高価格制の基準が調整され、7月は石油類の上昇圧力が和らぐと予想されるためです。政府は下半期の物価上昇率を3%以内に抑える目標を掲げました。ただ変数は残っています。ウォン安が続くうえ、下半期にアップルが製品価格を上げれば、携帯電話の物価が再び刺激される可能性があるとの見方も出ています。物価が3%台からなかなか下がらない状況は、政策金利2.5%(8回連続据え置き)を運用する金融政策にも負担です。物価と成長、為替の間で韓国銀行の計算は一段と複雑になる局面です。
総評 6月の物価は、原油と為替という「外部ショック」が主導した結果です。コア物価が2%台半ばにとどまっている点は、需要側の物価圧力が爆発的ではないという信号ですが、石油類・食料品・サービスが同時に上がり、体感物価は3%台半ば(生活物価3.4%)まで跳ね上がりました。押さえておくべき点は三つです。まず、7月の原油価格と最高価格制の調整が実際に物価を引き下げるかが鍵です。次に、為替が高水準を維持する限り、輸入物価の負担は簡単には消えません。最後に、物価が3%台に固定されれば、下半期の利下げ期待が後ろにずれる可能性があります。当面は原油・為替・気象条件をあわせて見守る必要があります。
※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。
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