🏠 'チョンセの国'は昔話に? — ソウルのマンション賃貸、月貰が初の過半超え
ソウルのマンション賃貸市場の重心が、チョンセ(伝貰=一括保証金型賃貸)から月貰(ウォルセ=毎月家賃)へ移りました。今年のソウルのマンション新規賃貸契約で月貰が占める割合が54.1%と、史上初めて過半を超えたのです。2023年には43%水準だったので、約3年での変化です。チョンセ融資規制と賃貸詐欺のトラウマ、ギャップ投資封じが同時に作用し、『チョンセの国』と呼ばれてきた韓国の賃貸市場の構造が急速に変わっています。
要点(TL;DR)
- 今年のソウルのマンション新規賃貸5万1,196件のうち、月貰が2万7,719件(54.1%)で初めて過半を超えました。集計基準によっては49.8%前後とする見方もありますが、月貰がチョンセに迫る・上回るという大きな流れは同じです。
- 2023年に43%水準だった月貰比率が3年で過半に達しました。チョンセ融資規制・詐欺後の保証金回避心理・ギャップ投資封じが主な背景です。
- 全国の月貰価格指数は4月に105.5と過去最高を記録しました。月200万ウォンを超える高額月貰も増え、借主の毎月の住居費負担が大きくなっています。
何が起きたのか
ソウルのマンションを借りる際、チョンセより月貰を選ぶケースが増えました。今年のソウルのマンション新規賃貸契約5万1,196件のうち、月貰契約は2万7,719件で全体の54.1%を占めました。チョンセが標準のように見なされてきた市場で、月貰が過半を超えたのは象徴的な場面です。集計方式によっては49.8%水準とする統計もありますが、月貰比率が半分前後まで上がったという大きな構図は変わりません。
スピードも急です。2023年には月貰比率が43%ほどでしたが、約3年で半分のラインまで上がってきました。かつて「チョンセが消える」という言葉は誇張のように聞こえましたが、統計ではその方向がはっきり表れています。
なぜ月貰へ移るのか
大きく三つの力が重なりました。第一はチョンセ融資規制です。融資のハードルが上がり、大きな保証金を一度に用意するのが難しくなって、借主が月貰へ押し出されています。第二は賃貸詐欺のトラウマです。保証金を失いかねないという不安が高まり、まとまった資金を縛るチョンセの代わりに毎月払う月貰を選ぶ心理が強まりました。
第三は供給側の変化です。ギャップ投資が事実上封じられ、家主の実居住要件が強化されて、市場に出るチョンセ物量自体が減りました。貸し出すチョンセが減り、借りる需要は月貰へ移るため、市場の重心が自然と月貰へ傾く構造です。
借主の負担はどうなるのか
月貰化が速いほど、借主が毎月支払う住居費は重くなります。全国の月貰価格指数は4月に105.5と過去最高を更新し、ソウルでは郊外地域でも月200万ウォンを超える高額月貰契約が増えています。チョンセは保証金を縛る代わりに毎月出ていくお金が少なかったのですが、月貰は毎月現金が出ていくため、家計の体感負担が異なります。
特にまとまった資金が乏しい社会人初心者や若年層ほど月貰への依存度が高く、月貰の上昇は住居費の二極化につながりかねません。チョンセが減った穴を半チョンセ(保証金付き月貰)と純粋な月貰が埋める流れも併せて表れています。
これからどうなるのか
当面、月貰化の流れは続く可能性が高いです。チョンセ物量を短期間で増やすのは難しいうえ、下半期には譲渡・保有税の引き上げなど税制改編も控えており、賃貸市場の変動性が高まりかねません。一部では売買・チョンセ・月貰がそろって上がる『三重苦』の可能性まで取り沙汰されます。
住宅を借りる予定があるなら、チョンセと月貰の総コストを併せて検討するのがよいでしょう。チョンセ融資の金利と保証金の保護策(保証保険の加入可否・先順位の権利関係)、月貰なら保証金と家賃のバランス、そして契約更新時の引き上げ可能性まで併せて点検することをおすすめします。
総評
今回の統計の核心は、単なる比率の変化ではなく、『チョンセ中心』という韓国の賃貸市場の長年の初期設定が揺らいでいる点です。チョンセ融資規制、詐欺後の心理、ギャップ投資封じという三つの筋が噛み合い、月貰化が構造として固まる様子です。焦点は、借主の住居費負担をどう緩和するか、そして減ったチョンセ物量を埋める賃貸供給が用意されるかです。賃貸市場の標準が変わる転換点だけに、借主も家主もチョンセと月貰を総コストの観点から計算し直す必要が大きくなりました。
※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。
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