📱 サムスン、業界初の'UFS 5.0'開発 — スマホ用ストレージ速度2倍、'オンデバイスAI'が速くなる
サムスン電子が業界で初めて『オンデバイスAI』に最適化したモバイルストレージ UFS 5.0 を開発しました。シーケンシャル読み出し速度は毎秒10.8ギガバイト(GB)で前世代(UFS 4.1)の2倍を超え、電力効率も40%以上向上しました。スマートフォンの中で直接人工知能(AI)を動かす時代に合わせ、データをより速く読み書きできるよう設計したもので、今年第4四半期から量産に入ります。
要点(TL;DR)
- サムスン電子が業界初のオンデバイスAI最適化 UFS 5.0 モバイルストレージを開発しました。今年第4四半期に量産予定です。
- シーケンシャル読み出し10.8GB/s・書き込み9.5GB/sで前世代UFS 4.1より2倍以上速く、電力効率は40%以上改善されました。最大容量は1TBです。
- 第9世代V-NAND(V9)ベースで、フラッグシップスマホだけでなくXRヘッドセット・AIウェアラブルなど次世代機器を狙います。
何が起きたのか
サムスン電子が次世代モバイルストレージ UFS 5.0 を業界で初めて打ち出しました。UFS(Universal Flash Storage)はスマートフォンなどのモバイル機器に入る標準ストレージで、写真・アプリ・OSが保存され呼び出される通路です。今回の製品はその通路をいっそう広げて速くしたもので、国際標準化機関JEDECが2025年10月に確定したUFS 5.0規格を反映しています。
最大の変化は速度です。シーケンシャル読み出し速度は毎秒10.8GB、書き込み速度は毎秒9.5GBで、直前世代のUFS 4.1よりそれぞれ2倍以上速くなりました。さらに電力効率を40%以上引き上げ、サイズは横7.5㎜・縦13㎜・高さ0.9㎜と前作より16.7%小さくなりました。最大1TB容量で提供され、サムスン電子の第9世代V-NAND(V9)をベースに作られています。
なぜ’オンデバイスAI’に重要なのか
核心は『AIを機器の中で直接動かす』流れです。これまで生成AIはほとんどサーバー(クラウド)で演算してきましたが、最近はスマホ・ウェアラブルの中で大規模言語モデル(LLM)を直接稼働させるオンデバイスAIが急速に増えています。この方式は通信遅延がなく、個人情報が機器の外に出ない利点がある一方、それだけ大容量データを瞬時に読み書きする能力が重要になります。
ストレージが遅ければ、どれほど優れたAIモデルでもデータを呼び出す段階でボトルネックが生じます。UFS 5.0のように読み出し速度が速くなれば、機器でLLMを実行する際の反応遅延が減り、応答が速くなります。サムスン電子が今回の製品を『オンデバイスAI最適化』と打ち出した理由はここにあります。
どこに使われるのか
適用の舞台はフラッグシップスマホにとどまりません。サムスン電子は、次世代スマホはもちろんXR(拡張現実)ヘッドセット、AIウェアラブルのように新たに台頭する機器市場に合わせてUFS 5.0の供給を広げると明らかにしました。こうした機器は小さな筐体の中で重いAI演算を処理しなければならないため、速くて電力消費の少ないストレージの価値が特に大きくなります。
ただし、実際の消費者機器に搭載される時点は量産以降です。第4四半期に量産が始まれば、早ければ来年に出るフラッグシップ製品群からUFS 5.0が入る可能性があります。
総評
今回の開発は『AI時代のボトルネックをストレージで解く』流れを示す事例です。これまでAI競争が演算を担うプロセッサと広帯域メモリ(HBM)に集中していたとすれば、今やデータを速く供給するモバイルストレージまで前線が広がった格好です。押さえておくべき点は三つです。第4四半期の量産が予定どおり進むか、実際の機器で体感性能とバッテリー効率がどれだけ改善するか、そして競合がUFS 5.0の量産でどう追い上げるかです。オンデバイスAIが広がるほど、目立たなかったストレージの速度がユーザー体験を分ける変数として浮上する見通しです。
※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。
出典
- サムスン電子、業界初『オンデバイスAI』最適化UFS 5.0開発 - ヘラルド経済
- サムスン電子、オンデバイス向け’UFS 5.0’を初開発 - マネートゥデイ
- サムスン電子、最先端NANDベース’UFS 5.0’開発…第4四半期量産へ - ZDNet Korea
- Samsung Unveils Industry’s Fastest UFS 5.0 Solution for Next-Gen On-Device AI Applications - Samsung Newsroom
- Samsung Unveils UFS 5.0 Storage, Claims Industry’s Fastest with 10.8GB/s Speeds - TrendForce